千駄ヶ谷のOL

千駄ヶ谷のOLあべしの日記です。

夢小説について語らせてほしい

すでにTwitterで散々夢小説の話をしているのですが、自分のインターネット人生においてかなり大きな存在で、且つ、#インターネット老人会で「黒歴史ww」とだけ語られるにしては勿体無い素晴らしいカルチャーなので2020年という節目を迎えたこのタイミングで語らせてください。

夢小説(ドリーム小説)とは

好きな漫画のキャラ・芸能人と自分の恋愛小説。と言うのが一般的な認識だと思います。小説内の名前を自分の名前に変換することで楽しむため、名前変換小説とも。

ただ、名前変換しない小説もあれば恋愛は関与しない小説もあり概念としては「オリキャラが登場する二次創作小説」の方が正しいと思っています。詳しくはこちらのnoteで丁寧にまとめられていました。

note.com

今でこそインターネット老人会で夢小説あるあるがネタにされて黒歴史wと語られることが多いものではありますが、インターネット発で今も続いている創作カルチャーって意外と少ないので結構すごいものだと思っています。ここからは、そんなすごいカルチャーに人生を狂わされた女の歴史になります。

私と夢小説の歴史

小学5年生の頃アニマックスで観たHUNTER×HUNTERでキルアと出会い、初めて二次元のキャラクターをかっこいいと思いました。当時HP作りをしていてすでにPCは使いこなしていたのですが、キルアについてヤフーで検索したことで大量の二次創作イラストや漫画と出会ってしまいます。まあほぼBLなので「なんでゴンとチューしてるんだろう...?」と怪しみながらネットサーフィンしていく中で「看病の話。」甘甘*キルアという文字列を見つけました。好奇心からクリックしてみるとPC画面に

キルア「お前の名前を教えてくれ!」

というポップアップが出てきます。「こわ...。個人情報抜かれるんか?」とビビりながらも「しおり」と入力。するとしおりというゴンとキルアと旅をする女の子が風邪を引いて、キルアが看病してくれるという小説が展開されました。その日の衝撃は今でも覚えています。あのキルアくんに自分が看病されてるしなんならチュー寸前まで行っている...!恋愛に興味津々なお年頃だったこともありそこからどっぷり夢小説にハマり出しました。

 

ハマった当初はPCサイトが主流で、Dream Navigator などのサーチサイトでお気に入りのサイトを探して読むのが一般的でした。なぜならほとんどのサイトが検索避けをしているのでヤフーなど検索エンジンには引っかからないためです。(今思えばこれがSEO的な何かに触れた初めての経験だった)なので、毎日暇な時間さえあればサーチサイトをチェック→良いサイトを見つけては読むを繰り返していました。

 

小6の修学旅行で印刷したシャーマンキングハオさまの夢小説を持って行って布団の中でニヤニヤしながら読んだり、自分がガンダムSEEDの世界に居た場合アニメOPのどこにどう登場するかの絵コンテを書いたり今考えると恐ろしく痛いこともしていたのですが、想像力や創作意欲は鍛えられたと思います。

 

姉に夢小説の存在を教えてから姉もハマったのですが、初めて訪問したサイトで既に姉の名前が登録されていたことがありました。逆パターンもありえると思うと恐ろしく、クッキー削除という技を覚えました。

 

そんな夢小説を読み漁り続ける生活をしたまま中学を卒業し、高校でガラケーが手にしたことで更にどっぷりハマることになりました。授業中も休み時間もちょっとした待ち合わせの時間もずっと夢小説を読むかpixivを見るかをしていました。ピーク時には「将来は夢小説界を牛耳る存在になりたい」と言っていたと思います。

 

国立大学前期試験の直前になぜか蔵馬のことが唐突に好きになり、ダメ...読んじゃダメ...と思いながら夢小説を夜中まで漁っていたら案の定試験に落ちました。この辺から、やっと病的に読み漁ることから卒業できた気がします。

 

大学を卒業したあと二次創作を取り扱う大手SNSの運営会社(あそこしかない)に就職するなど、良くも悪くも夢小説に影響を受けて来た人生でした。 

まだ夢小説ってあるの?

TwitterなどSNSの普及で個人サイト全盛期は完全に過ぎ去りましたが、PC用もしくはスマホ用個人サイトで更新をし続けてくれているサイトは多く存在します。

また、新しい形での夢小説カルチャーとして名前変換なし=夢主に完全な自己投影をしないスタイルが普及しているように見えます。

①pixiv

特定作品の二次創作の中で、夢小説的要素が入った作品にはそれを示すタグがつけられます。例えば「刀剣乱夢」最近だと「鬼滅の夢」など。必ずしも恋愛要素が入っておらずオリキャラ有の二次創作に近い作品も多くあります。

②「#◯◯で妄想」「#◯◯プラス」ハッシュタグ

#セクゾで妄想#ハイキュープラスなどのハッシュタグで特定キャラとの恋愛小説や会話文が投稿されています。中高生を中心に普及しているイメージ。(ちなみに◯◯プラスはふゅーじょんぷろだくとから出版されている「+カレシシリーズ」から来ていると思う)

③夢LINE

2017年にバズったこちらの記事参照。どちらかと言うとなりきりチャットの文脈の方が強いかも?

ookichi.hatenablog.com

とはいえ私の観測範囲で見つけたものに過ぎないので、もし他に夢小説派生カルチャーがあれば教えて欲しいです!

夢小説というインターネットカルチャー

夢小説の起源はホイッスル!の二次創作サイトがXXX人訪問記念か何かで配布した小説から始まっていると言われています。(多分合ってるはず)

そこから多くのサイトが真似して、夢小説専用サイトがどんどん開設され…….一時期は、女子オタク向けインターネットカルチャーを代表する存在だったと思います。

今も、全盛期より廃れたとはいえ形を変えながらその根幹となる文化は続いているし、当時夢書きをやっていた知り合いは現在脚本家になっていたり、小説を書いていたり文章を書く職に就いています。そう考えるとなかなか大きなインターネットカルチャーだと言えるのでは??(ちなみに高校から好きだった夢書きさんとは運命的に東京でお友達になれました!)

 

こうして振り返ると、私のインターネットで女子が作り育てていくカルチャーへの愛は夢小説から影響を受けていてそれが今女子向けCGMを運営するモチベーションにもなっているなあと感じます。

インターネットでの発信が仕事になるなんて素敵な時代でCGMを運営できる幸せを噛み締めた年始だったのでした。今年も頑張るぞ〜